何を読んでも何かを思いだす

人生の半分はフィクションでできている。

2020-01-01から1年間の記事一覧

店内放送

先日、ほとんど利用したことのないスーパーで買い物をした。 普通に商品を見ていたのだが、なにかちょっとした違和感のようなものを覚えて、あれ、なんだろう? と考えたところ、店の中が静かなのに気づいた。 つまり音楽や店内放送の類がまったくなかったの…

冬を待ちわびて

夏である。 毎年のことだが、庭の雑草がえらいことになっている。 草は伸びるにまかせよ、とばかりに放置しているので、知らない人が見たらとても人が住んでいるとは思わないかもしれない。まあしかし、誰に迷惑をかけるわけでもないのでいいか、と思ってい…

その文章には問題があります

高橋源一郎『「読む」って、どんなこと?』(NHK出版、2020)を読む。 これはNHK出版の《学びのきほん》というシリーズの一冊で、100ページあまりの短い本だ。(帯には「2時間で読める!」と書いてある) その帯には、「作家40年、初の読書論!」とも書いて…

誰?

なにがきっかけだったのか、ふと、泉鏡花の『高野聖』を再読したくなった。 『高野聖』なら、隣の市の大型書店に行かなくても、市内の書店にあるんじゃないかと思って仕事帰りに寄ってみる。 いや、まあ、家の中を探せば2、3種類の『高野聖』は見つかると思…

気力バッテリー

最近どうにも気力がない。 仕事のない休日を無気力にだらだらと過ごしていることは以前書いたけれど、最近では仕事に対する気力も涸れてきているような気がする。これはまずい。 気力がなくなったのなら、どうにかして気力を再チャージしなければならない。 …

とりとめもなくとめどない雨

朝からずっと雨音が聞こえている。 休日の今日はほぼ一日中布団の上にいて、本を読んだり漫画を読んだり動画を見たりうたた寝したりしている。 雨は激しくなったり小降りになったりしながらも、けして止むことはない。 昨日は仕事だったけれど、豪雨の影響で…

下級武士の悲哀

子どもの頃はよく時代劇を見ていた。 とくに好きだったのは高橋英樹(敬称略、以下同じ)の『桃太郎侍』だ。 日曜の夜9時からという、子どもには少し遅い時間のテレビだったが、親がそういうところには寛容(というかルーズ)だったので、毎回楽しみに見てい…

外国のお菓子

スーパーや百均でときどき外国のお菓子を買うことがある。 もちろん高級洋菓子とかではなく、マレーシアのクッキーとかベトナムのチョコ菓子のような安い輸入お菓子だ。 しかし素朴な疑問がある。 こんな商売で本当に利益が出ているのだろうか? 私は「経済…

『人として軸がぶれている』

最近、仕事以外の時間には、たいていアニメや昔の特撮なんかを見て時間を潰している。 読む気も書く気も起こらない。怠惰かつ無為な日々だ。 まあ、以前からそんなものだったのだけれど、最近はちょっとひどい。 俺はいったい何をしたいのか。 ダメだな。こ…

昆虫幻想

ある夏の晩、仕事の帰りにコンビニに寄りました。 買い物を済ませ、バイクのエンジンをかけようとしたとき、なにげなく駐車場に停めてある車に目をやりました。そしてふと思ったのです。 「最近の車って、なんか虫っぽいなあ」 フォルクスワーゲンの「ビート…

トカトントン

ブログを一年も続けていると「そういえば最近、あのブログの新着記事を見ないな……」ということがしばしばある。 見に行ってみると、だいぶ前に更新が途絶えている。 「やめちゃったのかな」と思うと、ちょっと寂しくなる。好きだったブログはもちろんだが、…

日傘少女

去年の夏のこと。 日差しの強い午後、とある住宅街をバイクで走っていると、下校中の小学生に出会った。高学年らしい女の子の3人組で、仲良くおしゃべりしながら歩いていたのだが、私は思わず二度見してしまった。 女の子の1人が日傘をさしていたからだ。 (…

ブログと広告

ときどき「自分のブログに貼られる広告が嫌なので、無料版から有料版(pro)に変えた」というような記事を見かける。 そういうのを読むと「そういえば自分の記事にも広告あったな」と思い出す。普段はぜんぜん意識していないし、無頓着だ。 あらためて自分の…

金魚屋古書店

駅の方から川沿いの長い道を歩いてくると、左手に一軒の古本屋が見えてくる。 昭和の雰囲気を色濃く残したその店の名前は「金魚屋古書店」。漫画専門の古本屋だ。 引き戸を開けて中に入ると左手すぐに帳場があって、ショートカットが似合う店長代理の菜月さ…

結婚の条件

また婦人雑誌の付録を買ってしまった。 今回のはずっと時代が新しく、昭和40年代のものなのだが、そのテーマがおもしろい。 『婦人公論』8月特別号付録『全国一流企業150社 独身男性情報』(1972)というものだ。 結婚生活は愛情だけではやっていけない。経…

カップ麺の話

ときどきスーパーで、年配の男性がカゴいっぱいにカップ麺を買っているのを目にする。 そういうのを見ると、余計なお世話だとはわかっているが「わびしいなあ……」と思ってしまう。まあ、そういう私のカゴにも2、3個入っているので、人のことは言えないのだが…

遠きにありて

もう何度も書いているけれど、私は大学進学にともなって実家を離れた。 帰省するのはだいたい盆と正月の2回だけで、それも3、4日実家に滞在すると、もういいだろうと言わんばかりにさっさとアパートに帰っていった。実家にいてもやることはなかったし、なん…

婦人雑誌の附録の広告

こんなものを買ってみた。 『婦女界』新年号附録『昭和日常社交礼法』(1928) 主に既婚の女性を読者対象にしたいわゆる「婦人雑誌」は明治時代からあったが、同様の雑誌が増えるにつれて競争が激しくなっていった。そこで各誌が他誌との差別化を図るために…

会いたいけれど、会いたくない

はてなの今週のお題が「会いたい人」ということだったので、自分にいま会いたい人なんているだろうか、と考えてみた。 ……いないこともない。けれど、それは同時に、あまり会いたくない人でもある。 というのも、私の場合、会いたい人というのはたいてい「会…

本好きのための替え歌

本好きのための替え歌をつくってみました。 元歌は、植木等の「スーダラ節」(作詞・青島幸男、作曲・荻原哲晶)です。 時間と心に余裕がある人はおつきあいください。 (下の囲みの中は元の詞。記事の一番下に楽曲を引用しているので、曲がピンとこない人は…

第3回「あいうえお作詩」に挑戦してみる

またまた「あいうえお作詩」をやってみた。 説明しよう! 「あいうえお作詩」とは、「あ」「い」「う」「え」「お」の各文字が行の頭になるように詩を作っていくという、一種の言葉遊びだ。私はこれを五七五七七の短歌風に作った。 例として、前回(第2回)…

続・納豆の話

前回に続き納豆の話を。 以前、古本屋でこんな本を買った。 野瀬泰申『納豆に砂糖を入れますか?-ニッポン食文化の境界線-』(新潮文庫、2013) タイトルを見て、「いやいやいや、それはないだろ!?」と思って買ったのだ。 この本の成り立ちは少し変わって…

納豆の話

新型コロナウィルスに関する流言飛語(デマ)の中に、納豆に関するものがあった。 「納豆菌がコロナウィルスに効く」というものだ。 なんでも、コロナが流行し始めた頃、茨城県で感染者が出ていなかったので、誰かがそんな冗談を言ったのが拡散されたとか。…

続・雑草食

2週間ほど前に、庭に生えているカラスノエンドウ(ヤハズエンドウ)という雑草を食べてみた、という記事を書いた。 paperwalker.hatenablog.com このときはまだ実をつける前だったので、若葉の部分を「おひたし」にして食べた。 実はその後もう一度若葉を摘…

寝ても覚めても

古本に夢中になり始めた頃は、いつも古本屋を探していた。 まだネットが普及していなかったので、タウンページで当時住んでいた地方都市の古本屋をリストアップし、紙の地図に印をつけ、それを片手に探して歩いた。 当時はまだ小規模な古本屋(扱っていたの…

変な夢

朝、目が覚めたときから頭痛がしている。(熱はない) そんなに酷いものではないけれど、起き上がるのが億劫だ。 しかし腹は減っているので、とりあえずパンを食べるが、気分はすぐれない。やれやれだ。 今日は休日なので、午前中からタケノコを掘るつもりだ…

マスク生活

あいかわらずマスクが手に入らない。 いつも行くスーパー、ドラッグストア、コンビニをまわっても、入荷されていないのか、それとも入荷と同時になくなってしまうのか、とにかく棚はいつもすっからかんだ。 10日ほど前までは職場でも用意してくれていたのだ…

雑草食

雑草のことを調べていると、ときどき「食べられる」と書かれているものがある。 実際にそういう雑草を採集して食べている人もけっこういるようで、「雑草 食べる」で検索してみると多くの記事が見つかる。なかには動画で食べ方を解説しているものまである。 …

カラスとスズメの間には(草の名前・その4)

春になった。 人間の世界は新型コロナウィルスのために沈滞ムードが漂っているが、そんな人間界をよそに動植物は活動を活発にする。 というわけで、うちの庭でも雑草の成長が目立ってきた。今年もまた雑草との闘いが始まるのだ。(実際は闘わずに不戦敗なの…

「あぶく銭」の使い方

先月、ひょんなことから3万円分のAmazonギフト券というものをもらった。 まったく予期していなかったもので、喜ぶというよりちょっと面食らってしまったのだが、これをどう使おうかと思案している。 急に降って湧いた「あぶく銭」だと思うと、少し変わった…