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何を読んでも何かを思いだす

本は積んでも人生詰むな。

家を壊す

私が住んでいる地区で、しばらく前から一軒の家の解体工事をやっていた。 二階建ての普通の民家で、築年数はわからないがだいぶ古い家のようだった。 その家の前の道が通勤路になっているので、私は仕事の行き帰りになんとなく工事の進捗状況を気にしていた…

幻の文学少女

前回、文学全集の端本(はほん)が好きだという話を書いたのだけど、それに関連して忘れがたい記憶があるので、ついでに書いておきたい。 いまから20年ぐらい前、このブログでもときどき書いている無職でぶらぶらしていた時代のことだ。 その頃の私の日課は…

端本好き

ようやく尾崎一雄(荻原魚雷編)『新編 閑な老人』を読み終えた。 それで、もっと尾崎一雄を読んでみたいと思ったのだが、いま新刊で手に入るのはこの本と岩波文庫ぐらいしかない。 私はその岩波文庫も持っている(ような気がする)。それだけでなく、古い新…

おもしろがる才能

引き続き尾崎一雄(荻原魚雷編)『新編 閑な老人』(中公文庫、2022)を読んでいる。 この本は短編と随筆で構成されているのだが、一番最後に「生きる」(1963)という短い随筆が収録されている。 この中で尾崎は「私は退屈ということを知らない。何でも面白…

「あの頃」のことは知らないけれど

いま「週刊はてなブログ」でこんな特集が組まれている。 blog.hatenablog.com タイトルを見て「あの頃? あの頃っていつよ?」と思ったのだが、上の記事の執筆者によるとこういうことらしい。 この特集を執筆している私自身も、インターネットの雰囲気は“あ…

素人・玄人

尾崎一雄(荻原魚雷編)『新編 閑な老人』(中公文庫、2022)を読んでいる。 いままで尾崎一雄を読んだことはなかったが(でも本は何冊か持っている、はず)、荻原魚雷さんが好きなので読んでみた。 すると「退職の願い」(1964)という短編にこんな文章を見…

絵葉書を読む(その12) ニッパハウス

『絵葉書を読む』第12回。今回の絵葉書はこちら。 『ニッパハウス(向井潤吉)』 「ニッパハウス」とは、ニッパヤシの葉を屋根や壁の素材に用いた家のことで、フィリピンなど東南アジアに多く見られる。 この絵葉書はフィリピンから差し出された「軍事郵便」…

祝日会議 ④

(前回の続き) 擬人化された祝日たちによる『祝日会議』。前回までの記事はこちら。 祝日会議 ① - 何を読んでも何かを思いだす 祝日会議 ② - 何を読んでも何かを思いだす 祝日会議 ③ - 何を読んでも何かを思いだす 今回の会議も無事に終わり、祝日たちはそ…

祝日会議 ③

(前回の続き) 擬人化された祝日たちによる『祝日会議』。前回までの記事はこちら。 祝日会議 ① - 何を読んでも何かを思いだす 祝日会議 ② - 何を読んでも何かを思いだす さて、ここでほかの祝日たちの様子も見てみよう。 テーブルの端の方にきれいな白髪の…

祝日会議 ②

(前回の続き) 擬人化された祝日たちによる『祝日会議』。前回の記事はこちら。 祝日会議 ① - 何を読んでも何かを思いだす 「それはあたしのことですか!? 」 トゲのある女性の声が飛んできた。「みどりの日」である。 「ただ休日を増やすためにできた意味の…

祝日会議 ①

前回の記事の最後に、「もし祝日に人格があったら」と書いた。 最近の祝日 - 何を読んでも何かを思いだす この思いつきが気に入ったので、こんな話を作ってみた。 題して、擬人化された祝日たちによる『祝日会議』。 よかったらご笑覧ください。 ここは国会…

最近の祝日

このあいだのゴールデンウィークにカレンダーを見ていて、ふと思った。 5月4日っていつから「みどりの日」だっけ? 以前は「国民の休日」という日じゃなかったっけ? 検索してみると2007年(平成19年)から「みどりの日」になっている。 それ以前、1989年(…

イチゴ狩り(草の名前・その6)

毎年毎年同じようなことを書いて恐縮だが、庭の雑草がえらいことになっている。 よくもまあこんなに飽きもせずに毎年生えてくるものだと思う。 しかしその雑草も、よく見ると毎年まったく同じというわけではない。それぞれの植物の勢力圏というか、生える場…

根深汁

先日、職場で長ネギをもらった。 おすそ分けの、そのまたおすそ分けみたいな感じで配っている人がいたので、私もありがたくいただいて何本か家に持って帰ったのだが、考えてみると、そんなに長ネギがあっても使い道がない。 タダでもらえる物なら後先も考え…

DIY

ゴールデンウィークの初日(29日)にバイク(原付)がパンクした。 普通ならいつもお世話になっているバイク屋さんに電話して、バイクを取りに来てもらって修理を頼むのだが、祝日なので店は閉まっている。というか、ゴールデンウィーク中はずっと閉まってい…

読書一生分

いつものようにネットをうろうろしていると、こんな言葉が目に飛びこんできた。 読書一生分プレゼント! 読書一生分? なんだそれ? 実はこれ、ネット書店「honto」の10周年企画で、抽選で1名に一生分の書籍費として101万4099円分のポイントをプレゼントする…

先祖自慢はほどほどに

先日、いつものように血圧の薬を出してもらいに病院に行った時のこと。 診察の予約時間にはまだ早かったので、診察室の前の長椅子に座って文庫本を読んでいると、後ろの席のおじさんたちの会話が聞こえてきた。 歳の頃6、70ぐらいの二人連れなのだが、会話と…

本の世界がもっと広がる

「はてな」の今週のお題が「#もしも英語が使えたら」ということなのだが、具体的に英語が使えるというのはどういうことかと考えてみると、私にとってそれは「英語が読める」ということとほとんど同義なのである。 そのほかの「話す・聞く・書く」といった能…

図書館という避難所

前回紹介した『税金で買った本』(ずいの / 系山冏)という漫画の帯には「読むと図書館に行きたくなる!」という惹句が書いてあったのだが、これは本当にそうで、私も久しぶりに図書館に行きたくなった。 考えてみればもう3、4年ぐらい図書館に行っていない…

税金で買った本

前回の記事でおもしろいタイトルの漫画を買ったと書いたけれど、それがこちら。 ずいの / 系山冏(けいやま・けい)『税金で買った本』(講談社、2021)[既刊2巻] 「税金で買った本」というのは図書館の本のことで、これはつまり図書館漫画なのである。 …

大型書店で右往左往

先日、あんまり天気が良かったので、半日かけてブックオフをハシゴ。 そこそこまあまあの買い物をした帰り道、最後の〆とばかりにショッピングモールに入っている大型新刊書店に寄った。 その書店に行くのはたぶん一年ぶりぐらいなのだが、いろいろ変わって…

夢のない夢の話

最近頻繁に仕事の夢を見る。もちろんいい夢ではない。 絶対時間内に終わらないような大量の仕事に追われている夢や、理由もわからず誰かに怒られている夢など、夢らしくシュールなところもあるけれど、その焦燥感や理不尽は生々しく感じられる。やっぱりスト…

和文タイプライター

いつものように「ヤフオク」を散策していてこんなものを買った。 『実用邦文タイプライター教科書』(龍成社) 「邦文タイプライター能率研究社」というところが編纂した100ページ余りの薄い本で、たぶん昭和26、7年ごろに出版されたものだ。 前半の30ページ…

書く楽しみ、読まれる喜び

3月17日でブログを開設して丸3年になった。 おめでとう、私。よくがんばったな、私。 ……しかし、なぜだろう、いまひとつテンションが上がらない。 ブログを始めた人の9割ぐらいが1年と経たずにやめていくといわれる中で、記事数は少ないけれど、曲がりなりに…

便利のインフレ

私は「ヤフオク」のヘビーユーザーなのだが、最近「かんたん決済」のシステムが少し変わったみたいで、いままで利用できていた(プリペイド式の)クレジットカードが一部のストアで使えなくなった。 その場合は「コンビニ決済」を利用する。通知された専用の…

世界のひきこもりとひきこもりの世界

ぼそっと池井多『世界のひきこもり』(寿郎社、2020)という本を読んだ。 副題は「地下茎コスモポリタニズムの出現」で、これはインターネットによって世界各地のひきこもり当事者が(外からは見えない)交流をしているという意味だ。 著者は大学卒業を前に…

絵葉書を読む(その11) 日本のサラリーマン

『絵葉書を読む』第11回。今回の絵葉書はこちら。 会社の一室らしいところで社員が乾杯をしているイラストが描かれているのだが、そこに書かれているスローガンがなかなかすごい。 働け働け明日ありと思う勿(なか)れ 断じて頑張れ栄冠我に在り ほかにも「…

切手少年だったころ

私はいま50代だけれど、私と同年代の人なら一度は切手を集めてみたことがあるのではないだろうか。 というのも私が子どもの頃、つまり昭和40年代から50年代前半ぐらいにかけて空前の切手収集ブームがあったからだ。 いまの若い人にはまったくピンとこないだ…

本と引っ越し

私はこれまでに2回引越しを経験した。 1回目は大学進学のために実家から一人暮らしのアパートへの引っ越し。 2回目はそのアパートを引き払って実家に帰った時の引っ越しである。 こう書くと大学卒業と同時に普通に地元に戻ったように見えるが、私は卒業後も…

本屋には一人で行きたい

先日、例によって例のごとくブックオフで本を見ていた。 すると私の背中の方で男子高校生が話をしているのが聞こえてきた。 「俺、いま伊坂幸太郎読んでるんだよね」 「誰、それ?」 「えっ、おまえ伊坂幸太郎知らんの?」 「知らん。東野圭吾は知ってるけど…