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何を読んでも何かを思いだす

あてのない読書、あてにならない感想、その他。

蓄財について

本多静六『私の財産告白』(実業之日本社文庫、2013 / 実業之日本社、1950)という本を読んでいる。 著書は林学(森林や林業に関する学問)の学者なのだが、その本業以上に投資家として、また蓄財術に関する本の著者として知られた人だ。 この本も、著者の…

味噌、白秋、台湾藻

スーパーで買い物をしているとき味噌が切れていたのを思い出して、いつも買っている味噌を手に取ったのだが、ふと思いなおしてそれを棚に戻した。 今日は普段買わない味噌を買ってみようと思ったのだ。 いままで使っていた味噌は大手メーカーのだし入り味噌…

絵葉書を読む(その8) もんぺ

『絵葉書を読む』第8回。今回の絵葉書はこちら。 『モンペ』(中原淳一) 「もんぺ」は、主に農山村の女性の仕事着として古くからあった袴状の着物である。(名称や細部の仕様は地域によって異なる) この「もんぺ」が広く全国的に知られるようになったのは…

お金の話

私の両親は、子どもの前でお金の話をしなかった。 いや、姉に対してはどうだか知らないが、少なくとも私の前ではしなかったし、するべきではないと思っていたようだ。 私は「末っ子の長男」として激甘に育てられたので、なにか欲しい物があると(高価な物で…

《日本の文学》第1巻『坪内逍遥・二葉亭四迷・幸田露伴』(その1)

以前予告していたように、中央公論社が昭和39年から45年にかけて刊行した日本文学全集《日本の文学》を読み始めた。 paperwalker.hatenablog.com 第1巻(第71回配本、昭和45年)には、坪内逍遥、二葉亭四迷、幸田露伴の3人の作品が収録されている。(ちなみ…

セルフ・レジ

とあるスーパーでレジに並んだところ、そこのレジがセミ・セルフ式(商品をレジに通すのは店員で、支払は客が機械で行うタイプ)に変わっているのに気づいた。 そのスーパーは毎日行くところではなく、10日か2週間に一度ぐらいの頻度で行っているのだが、前…

捕まりそうになったり、捕まったり

こんな夢を見た。 どこかの大きなお屋敷の一室に、お馴染みの「ルパン三世」一味が集まっている。どうやらこの屋敷にある「お宝」を狙っているようだ。 しかし私は彼らの仲間ではない。 私は、彼らと同じ「お宝」を狙う別の怪盗の仲間である。 白髪をきっち…

「いざ」というとき

昨年の春頃、ひょんなことから3万円分の「Amazonギフト券」というのをもらった。 まったくの「棚からぼた餅」で、降って湧いた「あぶく銭」というやつだ。 せっかくなので、普段はしないような使い方をして景気良くパーっと散財しようと思ったのだが、悲しい…

コショなひと

先日、購読している「日本の古本屋」のメールマガジン(無料)が配信されてきたので読んでいたら、こんな文章が目に入った。 「コショなひと」始めました なんだか冷やし中華みたいだが、それはともかく、「コショなひと」って何? 実は「コショなひと」とい…

姫女苑(ひめじょおん)

季節を代表する花というものがある。春なら桜、夏なら向日葵(ひまわり)みたいな。 いまの時期なら、多くの人が思いうかべるのは紫陽花(あじさい)だろうか。 私の場合、この時期の花といえば、なんといっても姫女苑(ひめじょおん)である……といっても、…

親になる人、ならぬ人

前回、雨隠ギド『甘々と稲妻』という漫画の話をした。 料理を通して父と娘の成長を描いた漫画で、あたたかい気持ちになれるいい漫画だと思う。 しかし、読んでいて少しだけ気持ちがざわざわした。 たとえばこんな場面。 「父親にしてくれてありがとう」 こう…

おいしい顔のためならば

アニメきっかけで読んだ漫画に雨隠ギド『甘々と稲妻』(講談社、全12巻、2013-19)という作品がある。 この前の休日に読み返したのだが、やっぱりいい漫画だった。 高校で数学を教えている犬塚公平は半年前に妻を亡くし、いまは5歳になる娘のつむぎと二人で…

ときには迷子のように

梅雨の中休みのような天気のいい休日、いつものようにブックオフに行った。 今回行った店舗は家から(バイクで)1時間半ぐらいのところなのだが、この日はちょっと都合があって、家を朝の7時に出なければならず、普通に行っても開店の10時よりぜんぜん早い時…

絵葉書を読む(その7) 関東大水害

『絵葉書を読む』第7回。今回の絵葉書はこちら。 『(明治四十三年八月東京大出水之実況)本所割下水附近』 明治43年8月中旬。 梅雨前線と2つの台風の影響により、関東地方は集中豪雨にみまわれた。 この豪雨によって、関東地方全体で死者769人、行方不明者…

本と善意

ヘレーン・ハンフ編著『チャリング・クロス街84番地 増補版』(江藤淳訳、中公文庫、2021)が出たので読んだ。 たしか四半世紀ぐらい前に旧版を読んでいるはずだが、細かいところは忘れていたので、新鮮な気持ちで読むことができた。 著者のヘレーン・ハンフ…

一人称

ブログを始めた時からずっと「私」という一人称を使っている。 とくに理由があったわけではなく、自然とそうなったのだが、ほかの人の文章を読んでいると、別の一人称の方がよかったのかなと思うことがある。 たとえば男性なら「僕」や「俺」というのがある…

退屈な「便利」、楽しい「不便」

以前から気になっていた稲垣えみ子『寂しい生活』(東洋経済新報社、2017)という本を読んだ。 タイトルからしてなにか他人事ではないような気がしていたのだが、しかし、予想していた内容とはだいぶ違っていた。 この本は、現代人にとって「豊かさ」とは何…

タケノコホリデー

家の敷地の中に小さな竹藪があって、春になるとタケノコが出てくる。 なので先月(4月)の中旬にタケノコ掘りをした。 こう書くとなんだか田舎暮らしを楽しんでいるように見えるかもしれないが、そうではない。これは人間と竹の生存領域を賭けた戦いなのであ…

私に気づいて(草の名前・その5)

毎年書いているような気もするが、庭の雑草がえらいことになっている。 そろそろなんとかしなければならないのだが、これっぽっちもやる気が出ない。 それにしてもまあ、毎年毎年よく生えてくるものだ。こうして好き放題に伸びる雑草を見ると、地球上で一番…

君はどこにでも行ける

いま、毎週楽しみにしているアニメがある。 『スーパーカブ』 この春に始まった作品なのだが、このアニメ、はっきり言ってとても地味なのだ。 物語の舞台は山梨県北杜市。父親はすでに亡く、母親に失踪された小熊(こぐま)は、アパートで一人暮らしをしなが…

門前の小僧

「門前の小僧習わぬ経を読む」という言葉がある。 お寺の近くに住んでいる子どもは、(いつもお経が聞こえてくるので)習ってもいないのにお経を暗誦できるようになるということから、環境が人に与える影響の大きさを語った言葉だ。 別に悪い意味で使われる…

路地裏の古本屋のように、それから

「はてなブログ」の管理画面に「こよみモード」というのがあって、その月のカレンダーに投稿した日が表示されるのだが、そのカレンダーの下(もしくは右側)に「✖️月のあゆみ」と題して、過去のその月に投稿した記事の冒頭部分が表示されるようになっている…

立って半畳寝て一畳

学生の頃は6畳+4畳半(台所)のアパートに暮らしていた。 しかし整理整頓能力が皆無の私はその二間をきっちり管理できず、6畳の方は布団を敷くスペースを除いては本と物で溢れ(その布団も最終的には「万年床」になったのだが)、4畳半の台所は不要になっ…

積んで花実が咲くものか

少し前にこんなことを書いた。 paperwalker.hatenablog.com これはどういうことかというと、 まず昭和に刊行された「日本文学全集」を一組買って、第1巻から順に読んでいき全巻読破しようという壮大な計画である。 しかしその前提である中古の「日本文学全集…

文章の墓場

「はてな」の今週のお題が「下書き供養」というもので、これはつまり、いままで「下書き」として放置していた文章を公開してみようという企画だ。 そこで私も、どのくらい下書きの文章が溜まっているのかと管理画面で調べたところ、20個ぐらいの記事が書きか…

少し活動的な休日の短歌

最近、少し活動的になっている、ような気がする。 単純に暖かくなってきたからというのもあるが、ひょっとしたら薬で血圧が下がってきている(それでも基準よりは高い)ことと関係があるのかもしれない。 もっとも、活動的になったといっても、遠くの本屋に…

絵葉書を読む(その6) 晩春の別離

『絵葉書を読む』第6回。今回は……とにかく画像を見ていただきたい。 見ての通り、絵の面にびっしりと文字が書き込まれている。この文字は表の通信欄から続いているのだが、いったい何が書かれているのか? 実はこれ、島崎藤村の「晩春の別離」という詩を書き…

スローなブログにしてくれ

ブログを始めて2年経ったが、いまだにブログの方向性が定まっていない。 試行錯誤を繰り返している、と言えば多少は聞こえがいいが、フラフラして腰が落ち着かない感じがする。 そんなふうだから(2年続けた割には)あまり読まれていないのかと、なけなしの…

日本文学全集読破計画

もう何年も前からやろうと思いつつ、実行できなかったことがあって、それが「日本文学全集読破計画」だ。 計画の内容はとても簡単で、まず昭和に刊行された「日本文学全集」を一揃い古本で買って、それを第1巻から順に読んで全巻読破するというもの。 若い頃…

小よく大を制す

前回、春の陽気に誘われて(?)本屋と古本屋に行ってきたという話をしたのだが、その夜、別の事で「啓蟄」という言葉を検索していたら、こんな俳句に行きあたった。 啓蟄や書肆ニ三軒梯子して(安住敦) 「啓蟄」は二十四節気の一つで、暖かくなって冬籠り…