何を読んでも何かを思いだす

人生の半分はフィクションでできている。

2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

古本まつり

先日、とある「古本まつり」に行ってきた。 私は人がたくさんいる場所が嫌いなので、祭りと名のつくものには近づかないことにしているのだが、「古本まつり」だけは別だ。 最近では古本を買うのもネットが中心で、古本屋にもあまり行かなくなってしまった。…

できれば使いたくなかった物

このあいだ会社で健康診断があった。 私はほかにこの手の検査を受けていないので、年に一度のこの健康診断がある意味楽しみだったりするのだが、今年はちょっと気が重くなってしまった。 血圧が高い。 以前から高めの数値ではあったのだが、ここ2、3年で右肩…

エマニュエル君

前回の記事で文通について書いた。 そのとき私は調子に乗って「文通とは……」みたいな知ったふうなことを書いてしまったのだが、実のところ、私は一度しか文通をしたことがない。(なのにエラソーなことを言ってしまった。なんかすいません) その一度という…

いまどきの文通

先日、コインランドリーで洗濯が終わるまでの時間潰しに女性誌を読んでいると、ちょっと変わった広告を見つけた。 「フミフレ」という、読売グループがやっている「文通サービス」だ。 その「文通サービス」というのがどういうものなのか気になったので、家…

的?

昨日、仕事の帰りにふらりと書店(市内に2軒ある新刊書店のひとつ)に立ち寄って新刊文庫のコーナーを見ると、変な本があった。 岩波文庫……的? なんだこれ? 2017年に岩波書店から刊行された佐藤正午の直木賞受賞作『月の満ち欠け』の文庫化。それはわかる…

星の光のように

先日、藤原定家によって筆写された『源氏物語』の一帖(若紫)の写本が新たに発見された、というニュースがあった。今から800年ほど前のものだという。 www.kyoto-np.co.jp 私は『源氏物語』に詳しいわけではないが、これがすごいことだというのはわかる。 …

貧乏舌

私はいわゆる「貧乏舌」なので、食べ物に対するこだわりがあまりない。 味覚が大雑把なので微妙で繊細な味の違いがよくわからない。高級なものを食べても、安いものを食べても、「どっちも(それなりに)おいしい」で終わってしまう。 別の言い方をすれば、…

稲刈りと感傷

私の家は農業をやっていたので、秋になれば稲刈りが家族総出の大仕事だった。 私の古い記憶(3~5歳頃?)では、庭で手動の脱穀機を使っていた覚えがある。たしか「唐箕(とうみ)」という穀物を選別する機械もあったように思う。 唐箕。ハンドルを回して風を…

著名人のたしなみ

前回読んだ鈴木魅『精神修養 道歌物語』の巻頭には、2人の著名人の「書」が掲載されている。 一人は新紙幣の顔として最近なにかと話題の渋沢栄一。 言葉は『論語』の中の一節で、いかにもという感じがする。 日付けとして「甲寅(きのえとら=大正3年)雨水…