何を読んでも何かを思いだす

人生の半分はフィクションでできている。

2024-01-01から1年間の記事一覧

絵葉書を読む(その15) 少女たちの休み時間

『絵葉書を読む』第15回。今回の絵葉書はこちら。 『追想 不破俊子画』 葉書の表には「少女の友絵はがき」と印刷されているので、雑誌『少女の友』の付録だと思われる。 『少女の友』は実業之日本社から刊行されていた少女向けの雑誌である。1908年(明治41…

「往年」にはまだ早い

先日、新聞を見ていると、ちょっと気になる出版広告を見かけた。 双葉文庫の3月の新刊の広告なのだが、この中の大石大『恋の謎解きはヒット曲にのせて』という小説が気になったのである。 いや、その、正確に言えば、気になったのはその作者や作品そのもので…

角川文庫の横溝正史

前回の記事で書いていた通り、横溝正史の『八つ墓村』を読んでいる。 映像化作品(映画・ドラマ)との違いに気をつけながら読んでいるのだが、原作の方が登場人物が多く、人間関係も複雑だ。さすがに犯人は同じだが(ドラマは少し違う)、主人公と犯人の関係…

渥美清の金田一耕助

YouTubeに松竹映画のチャンネルがあって、月に一本昔の映画が無料公開(二週間の期間限定)されている。今月は横溝正史の『八つ墓』(1977年公開)だったのでさっそく視聴してみた。 なんといっても興味深いのは、金田一耕助を渥美清(敬称略、以下同じ)が…

ちょっとだけ遠くに行きたい

風邪がなかなか治らない。ここ10日ぐらい調子が悪い。 寝込むほど酷くはならないがスッキリ全快するわけでもなく、体がだるくてなんとなく頭が鈍くなっている感じがする。あと鼻水がひどい。 以前は薬を飲んで一晩寝ればたいてい治っていたのだが、どうも抵…

タイトル未定

前回、こんな記事を書いた。 paperwalker.hatenablog.com 内容を簡単に要約すると、 ・ブックオフのウルトラセールに行ったけど収獲はイマイチだったこと。 ・大石トロンボ『新古書ファイター真吾』という漫画を読んだこと。 ・本を探すのは楽しい。 ・でも…

心は孤独な(本の)狩人

今年もブックオフのウルトラセールに行ってきた。 半日かけて3軒の店舗をまわったものの、成果としてはいまひとつだった。前から狙っていた本は買えたけれどその他の収獲はパッとせず、少しばかり徒労感が残る結果になった。 もっともこの結果は店の品揃えの…