何を読んでも何かを思いだす

人生の半分はフィクションでできている。

2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

文化系部活の体育会系な日々

私は高校の頃、吹奏楽部に所属していた。 たぶんどこでもそうなのだと思うが、吹奏楽部は文化系の部活でありながら、ノリとしては体育会系に近いものがある。 実際に、体力づくりと称して腹筋や腕立てなんかをやったりする。また「脚上げ」といって、仰向け…

啄木全集を買う

前回の記事で、石川啄木の短歌を引用したのだが、そのあと急に啄木に対する興味が強くなった。こういう流れには乗っかった方がおもしろい。 そこで本格的に読んでみたいと思い、手頃な本はないかとヤフオクを物色していたところ、古い全集がけっこう安い値段…

空に吸われし……

今週のお題「空の写真」……ということなのだが、私には写真を撮るという習慣がほとんどないので(どうしてみんなあんなに写真を撮るのだろう?)、勝手ながら、好きな短歌をひとつ。 不来方のお城の草に寝ころびて 空に吸われし 十五の心 石川啄木の短歌だ。…

シュガー・スポット

バナナを常温で放置していると、2、3日もすれば茶色のポツポツが現れる。 あれ、もう傷んできたのかな? なんか見た目、美味しくなさそうだな、と思う。しかし、 「この斑点は『シュガー・スポット』といって、『甘くなったよ、食べ頃だよ』というサインです…

店主と客の幸福な関係

山本善行、清水裕也『古書店主とお客さんによる古本入門 漱石全集を買った日』(夏葉社、2019)を読んだ。 山本善行さんは京都で古書店「善行堂」を営む古本屋さんで、著作や編集本が何冊もある、古本好きにはおなじみの人だ。 変わっているのはもう一人の清…

記憶の扉

前にも少し書いたけれど、私が小、中学生の頃(70年代後半から80年代前半)、アイドルや歌謡曲の話題は子どもたちの「社交」には欠かせないものだった。 今みたいに多様な娯楽がある時代ではないので、興味や関心がいくつかの話題に集中し、みんなが同じもの…

ピンクのヒヨコ

前回の記事で「自分はまだまだひよっ子だ」みたいなことを書いたのだが、その時ふと、ヒヨコのことを思い出した。 普通の黄色いやつではない。ピンクのヒヨコのことだ。 あれは祖父がまだ元気な頃だから、私が5、6歳ぐらいのことだったか。祖父が私を隣の市…