何を読んでも何かを思いだす

人生の半分はフィクションでできている。

いまさらながら

 

いまさらながらという感じだか、コロナに感染した。以下はそのときの記録である。

 

6月某日、早朝の仕事をしているときからひどい倦怠感を覚える。熱はないようだが、とにかく体がダルくて、軽く頭痛がする。あと喉が痛い。なかなかひどい風邪だな、とこのときは思っていた。

帰宅後、午後の仕事(この日は早朝と午後に2回出勤するシフト)までには時間があるので、とりあえず横になってしばらく様子を見るが、一向に状態が良くならない。仕方がないので、午後の仕事を欠勤したい旨電話を入れる。

市販の風邪薬を飲んでまた横になっていると、会社から電話があって、病院に行ってちゃんと検査を受けて結果を報告するようにと言われる。

いやいや、こんなに体がダルダルの状態で外出は無理でしょ、寝てりゃ治るよ、と思ったけれど、社命とあれば仕方ない。

ちなみに私は車を持っていない。移動はすべて原付である。独り暮らしなので、病院まで車で送ってくれるような家人もいない。

普通ならここでタクシーを呼ぶべきところだが、田舎のタクシー事情は意外に悪い。どれだけ待たされるかわからない。というわけでしんどい体に鞭打って原付で病院に向かう。

 

病院の受付で状態を説明すると、発熱外来専用の臨時診察室に通されてしばらく待つ。ここに来るのは二度目だ。(前回は陰性だった)

30分程して看護師さんがコロナとインフルエンザの検査キットを持ってきて、鼻から検体を採取して戻っていく。そしてまたしばらく待っていると、コロナが陽性だったと告げられる。

「いまさらなあ……」というのが率直な感想。あんなに騒がれていた時期に感染しなかったのだから、自分はもうコロナにならないんじゃないかとタカをくくっていたところは確かにあった。そうは問屋が卸さないか。鬼ごっこで最後に捕まったような気分だ。

ちなみにここで体温を計ったら、39度を超えていた。そんな状態でバイクに乗っていたのか。そっちのほうが怖いわ。(帰りも乗って帰るのだが)

しかし、コロナと判定されても病院では特になにもしてくれないのだな。対処療法しか手がないらしく、解熱剤やら鎮痛剤やらの処方箋を出してくれただけである。注射の一本も打ってくれなかった。そういうものなんだろうか。

なんだか「あとはあなたの生命力次第です」と言われているような気がする。

 

とりあえず薬をもらってまっすぐに帰宅。ちなみに食料などは、午前中に会社から帰るときしっかり買い込んでいた。「風邪」で2、3日寝込む可能性を考えてのことである。

すぐに会社に連絡すると、規定によって5日休めと言われる。「5日も休める、ヒャッホー!」とか言いたいところだが、ギリギリの人数で仕事を回しているのでさすがにそんな軽口もたたけず、普通に申し訳ない。

まあこうなってしまった以上は仕方がない。しっかり療養することにしよう。

 

それにしても、これが2、3年前だったらこんな記録も多少は注目されて、誰かの役に立ったかもしれないが、いまとなっては情報としての価値もない。(役に立ちたいわけではないが)

やっぱり私は世の中と微妙にズレてるのかな。