ゴールデンウィークの初日(29日)にバイク(原付)がパンクした。
普通ならいつもお世話になっているバイク屋さんに電話して、バイクを取りに来てもらって修理を頼むのだが、祝日なので店は閉まっている。というか、ゴールデンウィーク中はずっと閉まっているのではなかったか?
困った。どうしよう。
たまたま翌日と翌々日(30日、1日)は仕事が休みだからいいが、月曜(2日)からは仕事がある。しかも早朝の勤務なのだ。
私にはバイク以外の通勤手段がない。2年ぐらい前までは朝イチのバスに乗ればギリギリ間に合っていたのだが、いつのまにかその時間のバスがなくなっていた。(田舎のバスは少なくなる一方だ)
そうなるとあとはもう歩いて行くしかないのだが、職場までは徒歩で1時間半ぐらいかかる。以前、やっぱりバイクが故障した時には歩いて行ったこともあったけど、いまとなってはそれもきつい。(私の体力もなくなる一方だ)
こういう時に頼れる人間がいない、そういう人間関係を築いてこなかったというのもいろいろ問題があるのだが、それはいま言ってもしょうがない。
さて困った。
ふと、自分でパンク修理をしてみようかと思った。
いままで自分でやったことはない。というか、ほとんどメンテナンスらしいこともしてこなかった。ちょっとしたことでもバイク屋さんに頼んでいたのだが、少しは自分でもなにかできるようになったほうがいいのではないか。
そんなふうに思うようになったのは、たぶん『スーパーカブ』(漫画版)を読んだからだ。
[原作]トネ・コーケン[漫画]蟹丹[キャラクター原案]博(角川コミックス・エース)
カブに乗る女子高生・小熊がパンク修理をする場面があるのだ。(アニメ版ではそのエピソードはカットされている)
パンクに限らず、小熊はカブのことならなんでも自分でやろうとする。自分が乗るバイクなのだからそれが当然だというように。
そういうのを見ると(現実とフィクションは違うとはいえ)なんでもバイク屋さんに任せっきりの自分がちょっと恥ずかしいような気がしなくもない。
いや、気持ちの問題はともかくとして、いまの状況では自分で修理をするのが「最適解」のように思える。
困ったときのAmazon頼み。
30日にAmazonにパンク修理キットを発注し、「お急ぎ便」で1日に持ってきてもらった。便利な世の中である。(お金さえあれば)
しかしいざ修理を始めようとすると、なんだか急に自信がなくなってきた。前日にYouTubeでパンク修理の動画を何本か見て(なんでもあるな、YouTube)しっかりイメージトレーニングはしたものの、こういう作業はあまり得意ではない。なんか失敗しそうな気がする。
いやいや、いまさら弱気になってもしょうがない。
ここはD I Y(ダメかもしれんが・いちおう・やってみよう)である。
細かい手順は省略するが、20分ほどかけて釘が刺さっていた箇所の穴をふさぐ。
うん、初めてにしてはなかなかうまくできたんじゃないの? と自画自賛しつつ空気を入れたのだが、空気圧が戻らない。タイヤは柔らかいままだ。空気が漏れている。
もう一度修理したところを点検するが、どこが悪いのかわからない。何度か空気を入れてみるが、やっぱりダメだ。
困ったなあと思いながら今度はタイヤ全体を点検してみると、釘とは別のところにホッチキスの針みたいなものが刺さっているのを見つけた。これか?
さっきと同じ手順でそこも修理して、もう一度空気を入れてみると、今度はちゃんと硬くなった。よかった。
一応テストのつもりで恐る恐るスーパーに買い物に行ったが、どうやら大丈夫そうだ。これでとりあえず仕事には行ける。
……ということが連休の前半にあった。
思いがけない災難だったけど、新しいスキルを身につけたようでなんだか少し嬉しい。こんなことでも自分でできるとちょっとした自信になるものだ。
やればできるオッサンだったんだ、俺。
まあ、ゴールデンウィークの思い出がパンク修理というのもなんだかなあとは思うけど。