何を読んでも何かを思いだす

人生の半分はフィクションでできている。

そろそろ時代小説を読もうじゃないか

 

若い頃からできるだけいろんなジャンルの本を読もうと思ってきた。

実際、古典的な文学作品からよくわからない雑本まで、それなりに幅広く読んできたつもりでいる。つまりは乱読だ。

しかしその中で、なんとなく読まずにきたジャンルというのがあって、それがいわゆる時代小説や歴史小説といわれるものである。

 

別にその手の物語が嫌いというわけではない。テレビの時代劇なんかは子どもの頃からよく見ていたし、時代漫画(?)も好きだ。そういうものをきっかけに読んだ小説はある。

例えばドラマの影響から池波正太郎の『鬼平犯科帳』や『剣客商売』は少し読んだし、漫画から隆慶一郎の『一夢庵風流記』(『花の慶次』の原作)や『影武者徳川家康』などを読んだ。それから山田風太郎忍法帖。その他にも単発で読んだ作品はある。

しかしこういった作家や作品は例外だ。

有名どころで言えば、私は司馬遼太郎を一冊も読んだことがない。国民的作家とまで言われているのに。それから山本周五郎藤沢周平もない。こういう作家を読まないのは、ずいぶんもったいような気もする。

 

変な理屈だが「まだ早い」と思っていたのである。時代小説や歴史小説は若い頃に読むものではなく、ジャンルごと「老後の楽しみ」にとっておこうと思ったのだ。

だが気がついてみれば私ももう50代半ば。「初老」と言われてもおかしくない年齢になっている。そろそろ時代小説を読み始めてもいいのではないかと思うようになった。というか、老後を楽しめるほど健康で長生きする保証などどこにもないということに気づいてしまったのである。気づくの遅いよ。

というわけで、これから少しずつ時代小説や歴史小説を読んでいきたいと思っている。まったく不案内なジャンルなのでなにから読めばいいのかわからないが、解説本やガイド本もあるから参考にしたい。

 

で、そんな私が最近読んでいるのが川口松太郎『新吾十番勝負』という小説である。初出は昭和30年代前半の新聞連載という少し古い作品だ。

 

 

八代将軍吉宗の「ご落胤」である美男の剣士が活躍する物語、らしい。まだプロローグに当たる100ページほどを読んだだけだが、なかなかおもしろそうだ。

ただ、私が買った嶋中文庫版では全5冊と少々長い。すでに仕事が年末に向けて地獄モードに入っているので、最後まで完読できるかどうか……。

 

今週のお題「最近読んでるもの」