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納豆の食べ方

 

はてなブログの「みんなのお題」を見ていたら、「美味しい納豆ご飯の食べ方は?」というお題があったので、私の定番の食べ方を紹介したい。

それは「ごま納豆」である。(である、というほどたいそうなものではないが)

市販の納豆に刻んだネギを入れ、付いているタレをかけ、そこに山盛りの「すりごま」を入れてよく混ぜる、だけ。これがなかなかうまい。

ごまの香りが強いので、「納豆はにおいがちょっと……」という人でも食べやすいのではないかと思う。

なによりごまは体にいい。しかも大豆と一緒に食べると、なんかこう、いい具合になにかの効果が高まるらしい。(曖昧)

というわけで、「ごま納豆」はおすすめです。

 

 

ところで、納豆といえば前々から疑問に思っていることが一つあるので、ついでにここに書いておきたい。

それは納豆の粒の大きさ問題である。

スーパーの納豆売り場を見てみると、圧倒的に「小粒」の納豆が多いのだけど、あれはなぜなんだろう。私は「中粒」が好きなんだが、「中粒」や「大粒」はそれぞれ一種類ずつぐらいしかなくて、あとはほとんど「小粒」や「極小粒」が占めている。(「ひきわり」は別枠)

好みの問題といえばそれまでだが、ちょっと偏りすぎではないだろうか。

 

ネットでざっと調べてみると、同じような疑問を持っている人が少なからずいるようで、こんな記事を見つけた。

www.excite.co.jp

この記事の中で、執筆者の多幸和歌子さんが「全国納豆協同組合連合会」というところに尋ねたところ、だいたい次のような回答が返ってきたという。

 

江戸時代までの納豆の食べ方は、現在のようにそのままご飯にかけて食べるよりも、豆をたたいて「納豆汁」にして食べるのが主流だった。そのためたたきやすいように中粒や大粒の大豆がが使われていた。

それから時代が下って明治に入り、各地に鉄道が開設されるようになった時、水戸の偕楽園の駅で納豆を売ったのだが、これが小粒で食べやすいと大評判になり、東京などに広まっていったのだ……というのである。

明治に入った頃にはすでに納豆をご飯にかける食べ方が広まっていたようだ。直接ご飯にかけて食べるなら、やっぱり小粒の方が食べやすいということなのだろうか。(私は中粒派だが)

 

それでは「納豆汁」から「納豆ご飯」に食べ方がシフトしたのはいつ頃なのか。それについてはこんな記事があった。

www.syokubunka.or.jp

この記事は文化人類学者で食文化研究家でもある石毛直道さんが、『 vesta 』という雑誌に連載している「大食軒酩酊の食文化」という記事の一回(107号・2017、7)なのだが、そこにこんな記述がある。

 19世紀以前は、糸引き納豆を刻んで叩き納豆にしたり、すりつぶして、味噌汁にいれて納豆汁にするのが食べ方の定法であり、納豆汁は身体を温める冬の食べ物とされた。

 江戸市街での納豆売りは、即座に納豆汁をつくれるように、叩き納豆に細かく切った野菜と豆腐をそえて売ったそうだ。(中略)

 しかし、1830年代の天保年間になると、江戸では粒納豆だけを売りにくるようになった。醤油をかけた粒納豆を、熱い飯にかけて食べることが流行し、味噌汁、納豆、漬け物が江戸市民の定番の朝食となったのである。

私たちが伝統的な日本の朝食のように考える「味噌汁、納豆、漬け物」の3点セットは、どうやら江戸時代の終わり頃から始まったもののようだ。

この記事では納豆の粒の大きさについての言及はないが、上の多幸さんの記事と合わせて考えると、(はっきりとは言えないが)納豆の食べ方の変化と小粒が主流になったこととは関係があるような気がする。

 

まあ、納豆を食べない人にはまるで興味のない話だったかもしれないが、調べてみるとけっこうおもしろい。

それから、調べているうちに納豆汁を食べてみたくなった。なんだかうまそうだ。これから寒くなることだし、今度つくってみようかな。

 

お題「美味しい納豆ご飯の食べ方は?」

今週のお題「納豆」