何を読んでも何かを思いだす

人生の半分はフィクションでできている。

小銭を数えながら

 

ある日、いつものように財布のレシートを整理しようとしたら、異様に財布が重いのに気づいた。いつのまにか硬貨を入れる部分がパンパンに膨らんでいる。

普段は買い物のレジなどでできるだけ小銭を減らすような払い方をしているのだが、めんどくさくてお札ばかり使っているとおつりの小銭がたまってしまう。

なんとなくテーブルの上に小銭を出して数えてみると、

100円玉……14枚

50円玉……1枚

10円玉……8枚

5円玉……2枚

1円玉……8枚

という内訳だった。全部で33枚。そりゃ重いわけだ。

 

 

ふと思いついて、その硬貨を全部裏にして発行年を見てみる。

一番多いのは平成に発行されたもので21枚、ついで昭和の8枚、令和は4枚だった。

一番古いのは「昭和47年」の100円玉である。もう50年以上も現役でがんばっていることになる。お疲れ様だな、お互いに。(私は昭和44年生まれ)

ちなみに現行の100円玉のデザインは昭和42年からだが、これはまだ新しいほうで、(500円玉以外の)他の硬貨のデザインはもっと古い。ずいぶん長いこと使われている。紙幣のデザインは偽造防止のために定期的に変わるが、硬貨のほうは(マイナーチェンジはあっても)大きく変わらない。

私は生まれてからずっと同じデザインの硬貨を使ってきたことになるのだが、私より上の世代の人は一つ前のデザインの硬貨を使ったこともあるだろう。

 

時代はどんどんキャッシュレスの方向に進んでいるから、いずれは世の中から硬貨が完全になくなるということになるのだろうか。そうなったらちょっと寂しいような気がするのは、私が古い人間だからか。

まあ、私が生きている間(あと30年ぐらい?)は大丈夫だろうけど……なんて思ってたら、意外に早くそんな世の中になるのかもしれない。

小銭を握りしめて駄菓子屋に行く子どもはもうノスタルジーの中にしか存在しなくて、これからの子どもたちはスマホだけ持ってコンビニに行くのだろう。

 

そういえば昔、本当にお金がなかった時、自動販売機の下に落ちている小銭を拾いに行ったことがあるけど、キャッシュレスになったらそういうこともできなくなるんだな。(それはしないほうがいい)

 

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