何を読んでも何かを思いだす

人生の半分はフィクションでできている。

24時間耐久『ガラスの仮面』

 

この三日間、ずっと『ガラスの仮面』を読んでいた。

 

ことの起こりは一昨日のこと。

何気なくYahoo!を見ていたら、期間限定でデジタル版の『ガラスの仮面』の1巻から24巻までが無料とある。最初の数巻を無料にするのはよくあるが、24巻というのは大盤振る舞いだ。

説明するまでもないが、『ガラスの仮面』は美内すずえが描く漫画で、1975年に連載が始まって現在もまだ完結していない。単行本は49巻まで出ている。

 

昔、まだ二十代で無為徒食の生活を送っていた頃、ブックオフに通ってずっと『ガラスの仮面』を立ち読みしていたことがある。あの頃は少女漫画棚の前で長時間立ち読みするのになんの抵抗もなかったし、羞恥心も感じなかった。(いまは無理だけど)

当時の既刊は全部読んだと思うが、その後の続刊は読んでいないし、再読もしていない。つまりそれっきり興味をなくしていたわけだ。

 

それが冒頭にあげた無料セールを見て、またむくむくと興味がわいてきた。なんといっても「無料」の力は大きい。

とはいえ、このセールは11日まで、気づいた時点(9日)であと二日あまりしか時間がない。私は活字の本を読むのも遅いが、漫画も遅い。セール終了までに24巻読めるだろうか?

 

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9日午後9時ごろから読み始める。(以下、ところどころネタバレあり)

第1巻で主要な登場人物はほとんど登場する。主人公・北島マヤのライバル姫川亜弓がその世界の第一人者の「二世」というのは王道設定だ。

サクサクと読み進めるが、午前3時ぐらいから目がかすんできたので今夜はここまでにして寝る。

10日は9時ぐらいに目が覚める。

朝飯を食べて続きを読む。睡眠時間は足りているはずだが、それでも頭がボーっとしている。朝が遅かったので、昼飯は食べずにひたすら読み進む。

マヤと亜弓のダブルキャストによる『奇跡の人』に感動する。ときどき泣く。

しかしマヤがテレビに出演するあたりから少し物語が薄くなるような気がする。特に何某の罠にかかって芸能界から干されるようになる件は、強引というか、あまりに作為的すぎるというか。ここで一旦すべてを奪ってドン底に落とすというのも王道展開だとは思うが。

0時ごろになるとときどき意識が飛ぶようになってきたので寝る。(ちなみに晩飯はカップ麺)

11日は8時ごろ目が覚める。昨日買い物に行っていない(というか、一歩も家を出ていない)ので、朝食べるパンがない。仕方がないのでコーヒーだけ飲んで『ガラスの仮面』に戻る。(ちなみに昼飯はカップ麺)

すべてを失って演技することもできなくなったマヤが復活していく。そして完全復活の舞台として、亜弓とダブル主演の『二人の王女』が……と、ここで第24巻終了。

時間は午後3時。

睡眠時間やその他の時間を差し引くと20数時間かかったのか。疲れた。少し意識が朦朧としている。気力体力ともに尽きた。(そのスッカラカンの状態でこの文章を書いている)

当然続きを読みたいのだが、さて、どうしたものか。

 

それにしても、いい歳のオッサンをここまで夢中にさせるとは

 

マヤ……おそろしい子。