何を読んでも何かを思いだす

人生の半分はフィクションでできている。

冬のささやかな楽しみ

 

仕事が地獄である。

毎年この時期はそうなのだが、年々キツくなっているような気がする。仕事自体は変わらなくても、私の体が衰えてきているのだろう。

いまならはっきりと「死兆星」が見えそうな気がする。

 

そんないまの時期のささやかな楽しみは、仕事帰りにスーパーに寄って自販機で缶のおしるこを飲むことである。以前にもこのブログで書いたことがあるので繰り返しになるけれど、季節も繰り返すのだから仕方がない。

おしるこは今年も11月の初旬から自販機に入った。それを見つけた時には「ああ、今年もこの季節になったんだなあ」と、これも毎年同じように感慨深くなる。そして私は毎日のようにおしるこを飲むのである。

 

おしるこは2月ぐらいまでは自販機に入っているが、そこから次第に消えていく。スーパーの自販機から消え、百均の前の自販機から消え、書店の横の自販機からも消え、やがてすべての自販機から消えてしまう。名残惜しい。

別におしるこは冬の物と決まっているわけではないのだから、春になっても自販機に残しといてくれればいいのにと、これも毎年思う。いや、夏でもちょっとあっさりした感じの「冷やししるこ」とかいけるんじゃないだろうか。要するに一年中飲んでいたいのである。

 

しかし本当に一年中自販機でおしるこが飲めるようになったら、飽きてしまうかもしれない。芥川の「芋粥」じゃないけれど、どんな好物でも飽きるまで食べてしまっては不幸というものだ。

やっぱりおしるこは冬だけの楽しみにしておいたほうが幸せなのかもしれない。

 

 

今週のお題「最近飲んでいるもの」