何を読んでも何かを思いだす

人生の半分はフィクションでできている。

ブックオフ事情

 

今年もすでに2週間過ぎてしまった。早い。早すぎる。

そういえば、今年もブックオフの「ウルトラセール」に行かなかった。

今年は時間もあったし、天気も良かったので行くつもりだったのだが、当日になって気持ちがグズグズになって結局行かなかった。セールだけでなく、最近は店自体にあまり行かなくなったような気がする。

 

f:id:paperwalker:20200113154712j:plain

 

私が初めてブックオフに行ったのは今から30年ほど前、大学に通っているときだった。

そのとき住んでいた地方都市にできた最初のブックオフだった。

当時すでに古本に興味を持っていて、市内にある古本屋に行くようになっていた。その頃その市にあった古本屋は、老舗と呼べるような店が2軒と、あとは普通の中古本を扱う小さな店が数軒、そしていわゆる郊外型の大型古本屋が2、3軒といったところだった。

ブックオフ」という新しい古本屋ができたらしい、という話をどこかから聞いてさっそく足を運んだ。

そこは外観からして従来の古本屋とは違っていた。

たぶんその前は別の業種の店が入っていたであろう店舗は、まず大きく(といっても中型店ぐらい)、そしてきれいだった。いまではすっかりお馴染みになった大きな「本」の看板が目をひいた。

店内も違っていた。とにかく明るい。音楽が流れている。まるで新刊書店だ。(当時からあの〈こだま〉のような「いらっしゃいませ」の連呼があったかどうか、覚えていない)

さらに驚いたのがその値付けで、とにかく百均本が多い。老舗の古本屋にも均一の棚やワゴンがあるけれど、量が比べものにならない。本自体はありふれたものが多いものの、なかには「これが100円⁉︎」と思うような本も混じっている。本の内容ではなく、古さと状態だけでオートマチックに値段をつけるのでときどき掘り出し物がある。宝探しというよりは、川で「砂金」を採っているような感じだ。

漫画の立ち読みができるのもありがたい。

本が好きで、金はないけど暇はあるような人間にとっては恰好の遊び場だ。

その後、市内には5、6軒のブックオフができた。私は、それが仕事ででもあるように、暇に任せてすべての店舗を巡回していた。

 

10年ほど前、私は実家のある田舎に戻ってきた。

いま住んでいる市内にはブックオフはない。隣の市にある一番近い店舗でも原付で片道50分ぐらいかかる。遠いところでは1時間半ぐらいかけて行くこともある。

ネットを使っていなかった頃はそれでも頻繁に通っていた。しかし、ネットで本を買うことを覚えると、少しずつその頻度が少なくなってきた。もともとが出不精な人間なので、やむを得ないところはある。

しかし、あの「砂金採り」のようなおもしろさは、やはり実店舗でしか味わえない。

こんなことを書いていると、やっぱり店に行きたくなってくる。

ちょっとしんどいけど、次の休みにでも行ってみるかな。