何を読んでも何かを思いだす

人生の半分はフィクションでできている。

大型書店で右往左往

 

先日、あんまり天気が良かったので、半日かけてブックオフをハシゴ。

そこそこまあまあの買い物をした帰り道、最後の〆とばかりにショッピングモールに入っている大型新刊書店に寄った。

その書店に行くのはたぶん一年ぶりぐらいなのだが、いろいろ変わっているところがあって少しとまどってしまった。

 

レイアウトが変わっているのはいいとして、全体的に店の規模が縮小されているようだった。そのせいか、いわゆる「売れ筋」の本ばかりが並んでいるような印象を受ける。

大型書店の魅力として、小さな出版社の本やマニアックな専門書などを実際に手に取って見ることができるという点があると思うけれど、店の規模が小さくなるとまずそういうところから削られていくような気がする。

モールの中の店ということで、ほかの店との兼ね合いとかモール全体の方針とか、いろいろあるんだろうなと思う。

 

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気を取り直して文庫棚を見ていく。

ここの文庫棚は(一部を除いて)出版社別ではなく、完全に作家別になっている。

私がいつも行っている(といっても最近は2、3か月に一度ぐらいだが)別の大型書店は普通に出版社別なので、少しとまどう。

しかし、いまなにげなく「普通に」と書いたけれど、実際は出版社や文庫のレーベルを気にしている人の方が少数派で、そんなことはどうでもいいというのが普通なのかもしれない。

完全に作家別の方が親切で合理的のような気もする。私は出版社別の方が好きだけど。

 

そこから漫画の棚に移動。

探している漫画があったのだが見つからなかった。あまり売れてなさそうな漫画なので(失礼)これはまあ、しょうがないか。

そのかわり、おもしろそうなタイトルの漫画を発見する。ぜんぜん知らない漫画だけれど、カバーに書かれている説明を読んで、勘にまかせて購入する。

リアル書店ではときどきこういうことがあるからおもしろい。

それからざっと雑誌を眺めてレジへ。

 

この日一番の驚きはここに待っていた。

レジが「セルフレジ」になっていたのだ。書店のレジがセルフレジ……。

考えてみれば驚くようなことではない。レジのセルフ化は世の中の流れであり、書店だけが例外ということはありえない。

しかし私の頭の中ではまったくその発想がなかったので、完全に意表をつかれた。無意識のうちに書店という場所は特別なところだと思っていたのかもしれない。

店員さんがお客さん一人一人に説明していたので、最近設置されたのではないかと思う。ひょっとしたら私が知らないだけで、都市部の大型書店ではセルフレジが当たり前になっているのだろうか……。

機械の説明に従ってなんとか精算を済ませる。

店を出る頃にはもう日が暮れかかっていた。

 

久しぶりの大型書店でなんだか右往左往してしまったが、書店ではそんな時間も楽しい。

 

【付記】家に帰ってネットで調べると、書店のセルフレジは数年前からあったけれど、(コロナの影響もあって)昨年あたりから設置する店舗が増えてきたようだ。知らなかった……。