何を読んでも何かを思いだす

人生の半分はフィクションでできている。

未明の臭撃

 

ぼんやりと目が覚める。

まだ暗い。何時だろう? トイレ……じゃない。なにか変な気配がする。その時、耳元でブーンという羽音が聞こえたかと思うと、

臭……ッッ‼︎

思わず『刃牙』風に驚く。

この青臭いにおいはカメムシだ。カメムシが顔のすぐ近くにとまっていたのだ。

 

あわてて起き上がると、カメムシはまたブーンと羽音をたてて部屋の中を飛ぶ。

電灯をつけて周囲を窺うがどこにいるのかわからない。

私は片付けられない人間なので、部屋の中にはいろいろな物が散乱している。その中で虫一匹見つけるのはむずかしい。

するとまたあらぬ方向から羽音がする。目で追うけれど見失う。(チラッと見たところ、緑色ではなく褐色の奴だった。よけいに見つけにくい)

そんなことを2、3回繰り返してようやく身柄を確保する。もちろん直接触るのは嫌なので、ティッシュ越しに摘まみ上げる。するとまた強烈なにおいが。

窓を開けて外に放り出したものの、部屋の中と指先にはあのにおいが残ってしまった。

臭い。

 

実はこのカメムシのにおいのことを調べたくてネットで検索したのだが、聞き慣れない化学物質の名前や構造式が出てきた時点でやる気をなくしてしまった。

私は高校時代に「化学」と絶交して以来口もきかない関係なので、こういうのを見ると脳が拒絶反応を起こしてしまう。

 

まあ、難しいことは置いといて、なんにしても好ましいにおいではない。

しかし、嫌なにおいだとわかっているのについつい鼻を近づけてしまうことがないだろうか? (最近こんなことばかり言ってる気がするが)

また、においのきついものを好んで食べる人もいる。

人の嗜好はそれぞれだから、ひょっとしたらこのカメムシのにおいが嫌いじゃないという人も……いないかな、さすがに。

 

今回は臭い話をしたので、もし嫌な気分になった人がいたら、下の画像をどうぞ。

 

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「お口直し」ならぬ「お鼻直し」です。