何を読んでも何かを思いだす

人生の半分はフィクションでできている。

イワシの梅煮

 

休日。

午前中に銀行に行って、そのままスーパーで買い物。

最近すっかり夏バテなので、今日はとりあえず肉を食べようと思っていたのだが、鮮魚コーナーで小イワシ10尾98円で売っているのを見かけて立ち止まる。や、安い。

これを3食分とすると1食あたり約33円、4食にすると約25円。最近本多静六の本を読んで、財布の紐を締めようと思っていたところなのだ。

しかし今日は肉を……でも安い……頭付きは処理がめんどう……でも安い……時間が……でも安い……としばらく悩んでいたが、結局カゴに入れる。

 

家に帰ってさっそく料理にかかる。

いまからやると昼飯が少し遅くなりそうなのだが、すぐにやらないとめんどくさくなって、「やっぱり今日はやめとこ」といって冷凍庫に突っ込むことになるだろう。そして再び解凍される日が来るかどうか……。

まず、小さなイワシを一尾ずつ、包丁で頭を落として内臓を取っていく。

以前読んだ魚柄仁之助さんの本に、小さなイワシなら包丁を使わずに指だけで捌けると書いてあったのだが、指でイワシの頭を引きちぎるのはさすがにちょっと抵抗がある。

小さい魚なので頭を落とすのは簡単だが、包丁の切っ先で腹を裂いて内臓をこそぎ取るのがけっこう難しい。まあ、人に出すものではないから、見た目はあまり気にしない。

流水で洗い、キッチンペーパーでしっかり水気を取って、「めんつゆ」で作った煮汁の中に並べて火にかける。アルミホイルで落とし蓋をして、しばらく煮たら(チューブの)おろし生姜を加え、さらに冷蔵庫にあった梅干しをいくつか入れる。今日は「梅煮」にするのだ。

 

こう書くと、(手抜きとはいえ)手際がよくて手慣れた感じに見えるけれど、実際はもたもたぐずぐずである。

煮魚自体あまり作らないし、作るとしても切り身や下処理してある魚を買ってくる。実は魚の頭を落としたのは今回が初めてなのだ。

一応自炊をしてる身としては、魚は捌けるようになったほうがいいとは思うが。

 

さて、できたものがこちら。わざわざ人に見せるような出来ではないけれど。

 

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味は悪くないと思うが、身が小さすぎて食べた気がしない……。次はもう少し大きいイワシで作りたい。

でも煮た梅干はものすごくおいしい。

 

世の中の喧騒それはそれとして

今日はイワシの梅煮をつくる日