何を読んでも何かを思いだす

人生の半分はフィクションでできている。

積んで花実が咲くものか

 

少し前にこんなことを書いた。

  

paperwalker.hatenablog.com

 

これはどういうことかというと、 まず昭和に刊行された「日本文学全集」を一組買って、第1巻から順に読んでいき全巻読破しようという壮大な計画である。

しかしその前提である中古の「日本文学全集」を買うところで長年つまずいている。

種類にもよるが、この手の文学全集は少ないもので40巻ぐらい、多いものになると100巻を超えるものもある。

そんな大量の本を一気に買うのは、いかに古本好きでもちょっとなあ……ということを書いている。

 

そもそも私は優柔不断かつ臆病な性格で、石橋を渡る前に叩きに叩き、充分に強度を確かめたうえで、でも渡らないというめんどくさい人間なのだ。 つまり行動力というものがない。何かを計画してもなかなか実行に移せない。

だから今回のこの計画も、計画の段階でずっと凍結されるのだろうと私自身が思っていた。

ところが……。

 

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買ってしまった。

中央公論社《日本の文学》全80巻。

上の記事を書いたら変な「勢い」がついたみたいで、数日後にポチッと……。

いやあ、勢いって怖いね。

 

買ったのは例によって「ヤフオク」からで、さて、気になるお値段はというと……ほぼ福沢先生お一人分といったところ。

本だけなら一冊100円もしなかったのだが、さすがにこれだけの冊数になると送料が馬鹿にならず、結局福沢先生のお力に頼らざるを得なかった。先生、ありがとうございます。

ついでに言うと、うちの家の前の道は狭くて大型の車が入って来れないので、配達員さんにはこの80冊(一箱約20㎏×3)の本を100メートルほど台車で運んでもらった。配達員さん、ありがとうございます。

 

実はこの時の「ヤフオク」では、ほかの出版社の文学全集ならもう少し安く買えた(競争相手がいなければ)のだが、結局この中央公論社の全集にした。

一つには、岡崎武志さんが以前なにかの本で、日本文学全集を一組持っておくならこの中公の《日本の文学》がおすすめだと書いていた(と思う)からだ。

もう一つは、同じ中公の全集で《日本の詩歌》(全30巻+別巻)を持っているので、お揃いでいいかなと思ったのだ。 この時期の中央公論社の全集類はいろいろあっておもしろいのだが、これについてはいつかあらためて書きたい。

まあ、けっこうな出費になってしまったが、いつものようにタバコに換算して自分をごまかしている。

 

paperwalker.hatenablog.com

 

それにしても全80巻か……。

一月に一冊ずつ読んだとしても、全巻読破するのに6年と8ヶ月かかる。

いや、私は超遅読だし、ほかの本だって読みたいから、ニ月に一冊読めれば上出来か。とすると、読み終わるのに13年と4ヶ月……。とっくに還暦を過ぎている。

10年後にもまだこの全集を読んでいるのかと思うと、なんかちょっと笑える。

読んだら順次このブログに感想を書いていきたいと思うが……もし3ヶ月経っても何も書かなかったらこう思ってほしい。

「野郎、また積みやがったな……」