ジュースを買おうと思って、自動販売機に500円玉を投入した。すると、釣り銭受けにそのままカコンと落ちてきた。まあ、ときどきあることだ。
気を取りなおしてもう一度投入。またカコン。
もう一度。カコン。
落ちてきた500円玉をよく見ると、500円玉は500円玉でも、旧500円玉だった。
500円玉が初めて登場したのは1982年(昭和57年)、私が13歳のときだ。
いまの若い人にはピンとこないだろうが、それまで500円は紙幣だった。(肖像は岩倉具視)
紙幣から硬貨への変更は、なんとなく「格下げ」ような印象を受けたことを覚えている。「ありがたみ」が薄くなったというか。
しかし、硬貨で500円という金額は 、世界的に見ても高額なものらしい。
たとえばアメリカだと硬貨の最高額は1ドル(現在約105円)だ。イギリスでは2ポンド(約270円)、ユーロでは2ユーロ(約245円)で、(物価の違いはあるにしても)いずれも500円よりかなり低い。(しかも1ドル硬貨、2ポンド硬貨は実際にはあまり流通していないらしい)
しかし、その高額なところが仇になって、偽造事件が頻発する。自動販売機のお金の返却機能を使って偽物と本物を入れ替えるという手口だ。
そこで2000年(平成12年)、新しい500円玉が発行される。
基本的なデザインは変わらないが、偽造詐欺を防ぐための工夫が施されている。また材質(合金の割合)自体も違っている。
自動販売機もそれに対応したものになり、その識別機能も年々向上している。
で、その結果、現在では旧500円玉が使える自動販売機が少なくなっているーーということらしい。(以上、Wikipedia参照)
実際私もいくつかの自動販売機で試してみたのだが、どこも使えなかった。
ついでにセルフのガソリンスタンドと、スーパーのセルフレジでもダメだった。
本当に使いにくい。
こうなるともう店員さんがいる普通のレジで使うしかないけれど、最近はスーパーやコンビニのレジも、機械が自動的に金額を読み取るタイプのものになっている。
ちゃんと旧500円玉をカウントしてくれるだろうか? もしカウントされなかったら、なんか気まずいなあ……。
結局、旧500円玉はいまも財布の中にある。