5、6歳ぐらいのことだったと思うけれど、3日続けて同じ夢を見たことがある。
「怖い夢」だった。
私はいつものように幼稚園に行った。
教室に入って友だちの顔を見ると、なんだか様子がおかしい。
そのとき突然、友だちがみんな吸血鬼にされていることに気づいた。
私は逃げた。友だちが追ってくる。噛まれれば私も吸血鬼にされてしまう。
どこをどう逃げているのかわからないが、必死で逃げた。しかしだんだん追い詰められる。もう駄目だ。そのとき、ふと、こんなことを思った。
もう噛まれてもいいんじゃないか? 噛まれれば吸血鬼になるけれど、何か問題があるだろうか? 友だちもみんな吸血鬼なんだから。
とうとつに行き止まりになった。振り返ると、みんながじわじわとこちらに迫ってくる。そして……。
ここで場面が一転する。
グラウンド(のようなところ)で、私は友だちと一緒に仲良くサッカーだかドッヂボールだかをやっている。みんな笑っていて楽しそうだ。
どうやら事件は終わったらしい。よかった。めでたし、めでたし……なのだが、これはいったいどういう終わり方なのだろう。
誰かが吸血鬼のボス的存在(夢には出てこない)を倒して、みんなが人間に戻れたのだろうか?
それとも、私が噛まれて、みんなと同じ吸血鬼になったのだろうか?
今週のお題「怖い話」